組織の状態が良くなるとは？
サンクイットが考える組織の状態が良くなるとは、多くのメンバーがポジティブな状態で仕事をしているということです。
ポジティブな状態とは、自分の信念を信じて幸せにエネルギッシュに誇り高く笑顔で楽しく確信に満ちた行動をしている状態です。
経営の状態が良くなるとは？
簡単に言えば利益が出ることです。
なかには売上が上がる、顧客満足度がよくなる、クレーム率が減少する、客単価が増える・客数が増えるなどの経営指標がありますが、最終的には利益が出ることが経営者が考える指標です。
利益が出るためにどんな指標が影響しているかと言えば、生産性や創造性です。
従業員という働くリソースが同じ人数であれば、生産性が50%違うだけで、売上や利益は大きく変わります。
また、新しくビジネスを創ったり、業務プロセスを変更したり、市場や社会の変化に柔軟かつ迅速に対応するには創造性が重要です。従業員の創造性が30%でも向上すれば大きな違いとして現れます。
つまり、生産性と創造性は企業経営にとって最も重要だと言っても良い指標です。
組織の状態が良くなると生産性や創造性は向上するのか？
答えはYESです。
それは科学的実証データが示しています。前野隆司著の「幸福学 x 経営学」などには下記のように書かれています。
- 社員の幸せ度は、仕事の満足度よりも、 仕事の成果に関係する傾向がある。
- 幸せでリラックスしている人は、クリエイティビティのテストのスコアが高い傾向がある
- 幸せなリーダーがいるサービス部門は顧客からより高い評価を得る傾向がある。
- 販売部門の人々の感情のポジティブなトーンが高いほど顧客満足度は高い傾向がある。
- 仕事を行なう際にポジティブな感情を示す人は、親切で、同僚を助けるなど、仕事 上すべきこと以上の行動をする傾向がある。
- ポジティブ感情を示す社員は、他の社員を助け、組織を守り、生産的な提案をし、組織内で自分の能力を向上させる傾向がある。
- ポジティブな感情が強い傾向を持つ社員は、上司から好意的な評価を受ける傾向がある。
- ポジティブなムードで仕事をしている人は、離職率が低く、 会社への報復的行動をしにくく、組織市民としての行動を行ない、仕事で燃え尽きにくい傾向がある。
- ポジティブな感情の多い社員は欠勤しにくい。
- 穏やかでポジティブな感情の多い社員は、他の社員とのコンフリクトが少なく、仕事を辞めにくい傾向がある。
- 楽観的なCEOは、パフォーマンスが高く、 経営する会社への投資のリターンも高い傾向がある。
- 幸せな社員は、意思決定の際に、時間や努力のコストを度外視してまでアウトカムを 最大化しようとするのではなく、 最適で満足度の高い意思決定をする傾向がある。
- 幸せでリラックスしている人は創造性のテストのスコアが高い。
- ポジティブな感情を示す人は、役割外行動が多い。
- ポジティブ感情を示す人は、他の社員を助け、生産性的な提案をして組織内で自分の能力を向上させる。
- 幸せな人はそうでない人に比べて創造性が3倍高い。
- 幸福度が高い人は、生産性が31%高い
世界最大級の投資家会社であるブラックロック社のラリー・フィンク会長兼CEOは、長期的な投資対象となる企業に対してどんな点に注目しているのかと言えば、企業が従業員の能力開発や生活水準の向上に積極的に投資しているか否かであると述べ、ブラックロック・ジャパン 井澤幸会長CEOは「従業員が幸せに働いているかどうかが、企業の成長を左右するのは明白だ」と言っています。
論理的に考える米国最大手の投資企業が、企業が投資すべき箇所はモノ・カネ・情報システムではなく人と組織であることを明確にしているのは重要な事実だと捉えても良いと思います。
まとめ
組織の状態が良くなると経営の状態が良くなることは間違いありません。
逆に言えば、経営の状態が悪くなる理由は、組織の状態が悪くなってしまったからです。
経営の状態が悪くなると、あるいは良くするために、財務状況を見直したり、マーケティング手法を変えたり、営業方法を強化したりすると思いますが、それらの対策以前にやるべきことは、組織の状態を良くすることです。
組織の状態が良くなれば、従業員は、主体的に働くようになり、財務状況を見直したり、マーケティング手法を変えたり、営業方法を強化したりする必要はないのです。従業員が良かれと思ってこれらのことを実行し始めます。
サンクイットでは、組織の状態を可視化する「組織ドック」を提供しています。
また、可視化された組織の状態と経営の状態の相関をモニタリングする「モニタリングサービス」もご用意しています。