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症状と原因は違う

前回まで

組織の実態を知るにはアンケート形式の定量調査だけでは不十分なことを知ったAさんは、会社の本当の課題については知るために、アンケートとインタビューによる定性調査をすることにしました。

第7回は、多くの人が意外と知らない「症状と症状を作り出している原因は違う」ということについてお伝えします。

当社:アンケート形式の定量調査票とインタビュー形式の定性調査票のドラフトができたので持参しました。

Aさん:あーなるほど、こんな感じでやるんだね。

当社:そうですね、不備があるとか、過不足あれば今日詰めましょう!

Aさん:ところで、まあ、うちの会社について調査することにしたわけだけど、こういうことってどれくらい必要なんだろうね?

当社:どれくらいというと、重要性ですか?頻度ですか?

Aさん:どっちも・・・。

 

当社:なるほどです。では重要性からお伝えしますね。

 

調査の重要性

商売柄よく経営者の方と人材組織の課題について話すことが多いです。

経営者の方が言う最近の課題のトップ5は、以下のような感じです。

  1. 離職者が多い(退職あるいは精神的な問題で休職中)
  2. 主体的な行動をする社員が少ない
  3. リーダーが育っていない
  4. 新しいことを始めない・始まらない
  5. 部門間のセクショナリズム

当社:これらって症状だと思いますか? 原因だと思いますか?

Aさん:うーん、症状かな?

当社:そうなんです、症状なんです。顕在化している現象なのです。

離職者が多かったり、主体的な行動をする社員が少なかったり、

新しいことを始めなかったりというのは症状であって原因ではないのです。

離職してしまうような原因だったり、主体的な行動をとりたくない原因だったり、新しいことを始めたくない原因が潜んでいる可能性があるのです。

Aさん:なるほど・・・

当社:病気とかで例えてみると分かりやすいので、少しお話ししますね。

病院に行く時って、発熱や咳や頭痛という症状があるから行くと思います。

そんな症状に対して、何も診察せずに、

  • 発熱してるから解熱剤だね
  • 咳を止めるために咳止めの薬を処方
  • 頭痛を収めるために痛み止めを処方

というような対処だけをすると、根本原因を追求していないし、根本原因の治療をしていないので、発熱や咳や頭痛が再発することになるやもしれません。

たぶん、再発します。

でも、咳の原因を探ると、風邪、インフルエンザ、新型コロナウィルス、肺炎、喘息、結核、肺癌などがあるかもしれません。

風邪程度ならまだしも、重い病気なのに咳止めだけの処方では、咳は止まらないし、更にとんでもないことになってしまいます。

本当の原因に気付いた時には手遅れかもしれません。

 

会社における人材組織も同じことが言えます。

離職者が多い、主体的な行動をする社員が少ない、新しいことを始めないというのは症状であって原因ではないのです。

そんな症状が出てしまう本当の原因を掴む必要があるのです。

ですから、会社組織に表出した症状の元となっている本当の原因を見つける必要があるのです。

Aさん:なるほどねー

調査の頻度

当社:次に頻度についてお伝えします。

調査の頻度は年に一度程度で良いと思います。

人材組織の問題はそんなに簡単に変わるものではありません

もちろん、あることがきっかけに劇的に変わることはありますが、多くの場合は時間を要します。

なので、四半期に一回とか半期に一回という頻度で調査をしてもあまり意味がありません。

Aさん:人間ドックと同じか・・・

当社:そうですね。人間ドックと一緒ですよ。

人間も50歳を超えると毎年人間ドックに入ると良いと言われるように、組織も50名を超えると組織診断をしたほうが良いですよってお客様には言ってます。

なので、当社では定量調査と定性調査を合わせた組織診断のことを「組織ドック」って名付けたのです。

Aさん:ヘェ〜――、それは分かりやすい名前だね。

当社:ありがとうございます!

Aさん:うちは離職者が多いという課題があったからサンクイットさんにお願いしたんだけど、具体的な課題がなくても組織ドックというのは受けたほうがいいの?

 

当社:そうですね。人間ドックって症状が出たから受診するものではなくて、健康でいたいから受けるものじゃないですか〜。

組織ドックも同じで、自分の会社組織の現状を知るという意味では、表出した症状がなくても毎年単位で実施したほうが良いと思います。

また、毎年実施すると経年変化もわかるので、対策が精緻化されますよね。

Aさん:なるほどな・・・。

当社:ちなみに、症状だけで原因を掴まずに対策しても効果が無いばかりか、社員が「また、会社が面倒なこと始めたなー」なんて声が出て逆効果ですし、お金のムダなのでやめた方が無難ですね。

人材組織に関する課題の多くは現象であり症状なので、それらの真の原因をしっかり掴むことで最適な対策ができます。

逆に対処療法的な対策は逆効果にもなります。

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