Bさんの部門の人材組織の課題は一言で言えば「退職者の増加」でした。
組織ドックを実施してみて様々なことが分かったのですが、その中でも面白かったのは(Bさんにとっては全く面白くないのですが・・・)、社員のほとんどが仕事内容は大好きだったけど、組織への帰属意識が全くなかったと言うことでした。
社員の多くは、やりがいがあり、チャレンジングで、成長できる仕事ができていてとっても良い職場だと思っているようで、多少の人間関係の問題はあるものの概ね満足している
しかし、その仕事が組織や会社にどのように貢献できて、最終的に社会にどのように貢献できるのかと言う「働きがい」に関しては気にも止めていないと言うのが正直な感想でした。
となると、何が起きるのかと言うと、社歴が長くなり、チャレンジングできる仕事が減り、成長できる伸び代が少なくなり、他社に転籍した方がより良い仕事ができるし、収入も上がると思うわけです。
つまり、現在の社員は、この会社での仕事は社会的な自分の価値向上のための場だと言う感覚だったのです。
まるで、Bさんの部門は人材育成機関のようなイメージです。
Bさんは、ショックでもありましたが、とっても身に覚えがある現象だったので組織ドックのレポートに強く納得していました。
でも、「じゃ、どうすればいいのか?」「どんな対策をすればいいのか?」となるBさん自身には解決策がない・・・。