笑顔で前向きに楽しく働く人を増やす
第一回目は、当社代表である寺澤がなぜこの事業をスタートしたのかについてお伝えします。
一言で言えば「生産性を上げたければ情報システムへの投資ではなくて人材組織への投資の方が重要だし最初に手掛けるべきことだ!」と思ったからです。
今回は、私がなぜそう思うに至ったのかをご紹介します。
私は長年いわゆるIT業界というところで働いておりまして、テクノロジーや情報システムは労働生産性を向上させ、企業価値を高めるのに絶対的に必要だという思いがありました。
2009年に英国ウェールズ大学のビジネススクールに通い始め、MBA獲得のための修士論文を書くにあたり自分の課題感について考えていた時に、「I Tって本当に企業価値向上に貢献できてるのかな?」という思いが出てきたので、それについて研究しようと思ったのです。
研究し始めると、マサチューセッツ工科大学スローンスクールのエリック・ブリニョルフソン教授が「IT資本への投資は生産性を高めることは確かだが、それには条件がある」ということを言っていました。
その条件とは「人材育成、モチベーション、業務改善意欲、組織文化、組織構造」と呼ばれるような組織的な資本に投資することだったのです。
つまり、I T投資をしていても組織的な資本に投資していなければ、いくらI T投資をしても企業価値は向上しないということなのです。
長年IT業界にいてこれには驚いたのと同時し、実は腹落ちするところでもありました。それは、同じソフトウェアを同じベンダーが同じような規模の同じ業種業態に導入してもそのプロジェクトが成功する場合と失敗する場合があるからです。その違いは組織的な資本に投資しているか否かだったのです。
実は、日本経済という大きな視点で見ても同じような状況で、1994-2016における日本の一人当たりの名目GDPは殆ど向上していないのですが、同じ期間におけるIT投資額は2.5倍になっているのです。単純計算でこれだけを見れば、I T投資を2.5倍にしたのに全く生産性は向上していないという現実があります。
ちなみに、米国は同じ期間でI T投資を6倍にして生産性は2倍になっています。
IT投資に2.5倍と6倍の違いがあれば2倍ぐらいの差があるのでは?と思うかもしれませんが、ゼロ成長と2倍成長は差が大きすぎます。
GDPに占める企業の能力開発費を米国と日本で比較すると、2010年〜2014年では21倍の開きがあります。
なんとなく、米国は働く人を部品のように扱う冷酷な国で、日本は働く人を大切にする温情ある国だというイメージがありますが、事実は逆で日本の方が社員の能力開発に殆ど投資していなくて、米国の方が人材の能力開発に投資しているということなのです。
ってことは????
日本企業が、日本社会が、日本で働く人が、生産性を高めて豊かになるためには、働く企業において組織的資本への投資が重要なのであり、その後にIT投資が必要なのだと思い知ったわけです。
そして、I T投資よりも組織的資本への投資の方が重要だということも思い知ったわけです。
日本の企業の生産性が全く向上しないのは、IT投資ではなく、組織的資本への投資が少なかったのが原因だったのです。つまり、生産性を上げたければ組織的資本への投資をすることが重要で、順番も組織的資本投資の後にIT投資をすべき!
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